たにもと薬局では、漢方薬でのご相談も承っております。
漢方薬は、自然界の中に存在する生薬を複数組み合わせて作られた、東洋世界独自のお薬です。
皆様お一人お一人の身体が持つ力を引出し、西洋医学とは異なったアプローチで皆様の健康をサポートします。
当薬局には、漢方薬調剤経験の豊富な薬剤師が在籍しています。身体の不調や、不調とまでは言わなくともちょっと気にかかる事があるという方は、是非ご相談下さい。現在実際に現れている症状だけでなく、食事や睡眠等、日々の生活習慣等を詳しくお伺いし、お客様にあったお薬を選んでいきます。
張仲景による傷寒論・金匱要略が著されたのは後漢の頃、それまでの医学の集大成として、病人の症状や体質という切り口から、漢方薬・”証”ごとの生薬の組み合わせ・効用や療法上の注意をまとめられ、現代まで、広く使われています。
漢方薬による治療は、それぞれの患者さんの症状や体質から、陰陽・虚実・寒熱・五行・気血水の多少やバランスを考え、不足するものを補い、多いものを除き、バランスを整え、生薬の組み合わせである漢方薬により治療するものです。
風邪を例にとりみてみましょう。
熱が出て、他の症状があると、風邪かなと思われるでしょう。一般的に病院で処方され、店頭に並ぶ風邪薬である、熱冷ましや咳止めなどの洋薬は症状に対して使われます。風邪薬としての漢方薬は、よく使うもので10種類ほど、古典に記載されているものでは百を超えます。
ゾクゾクして風邪をひいたかな、と思う頃から、風邪をこじらせてなかなか治らない頃まで、熱性の病気は刻一刻と症状が変化します。
風邪と我々が呼ぶ一群の疾患を、個人の元々の体質に加え、症状の移り変わりや程度を陰陽五行思想に従って、”証”として解釈し、漢方薬の名前として診断されます。
個人の元々の体質は大きく急に変わることはないため、風邪症状が治った後の健康相談でも活かすことができます。
薬局における漢方相談では、主に体質や症状をきいて進めて行きます。
まずはじめに、一番困っている症状を伺います。いつ(1日の中での症状の変化など)、どんな症状、どのくらい(痛い、辛いなど)などを一度整理するのに、メモを作ってみるのも良いでしょう。
その後、様々な症状を網羅的に伺います。医学部教育でも用いられているReview of Systemのように、便の性状や回数、発熱の様子、精神状態など、家屋、発症時期などの四季に至るまで聴取し、陰陽虚実を考え解析します。女性では生理のことは漢方においても非常に重要です。
これらの情報から、漢方薬を決めていきます。症状によっては、個人の体質に合わせるため、他の生薬の成分を加えたり、減らしたりすることもあります。傷寒論、金匱要略といった漢方医学の古典にその論拠を求めることもあります。
また、持ち帰った漢方薬を飲んで症状がどうなったのか、よくなった点や新たに出て来た症状などを次回来店の際、伝えるのを忘れないでください。お客さん自身の自覚症状は、漢方薬の効きを評価するのに重要なことです。